平和な日々が続き、港高校では秋の体育祭が開催された。大活躍する真理だが、そこへ彼女の運命を一変させる連絡が届いた。
政五郎が殺されたのだ！日雇い仕事に従事していたところを何者かによってライフル銃で狙撃されたのだ。かつてのヤクザ社会で何らかの恨みを持った者による仕業だということは明らかであった。一人の「男」の死に涙する征二。
しかし、子細を知らぬマスコミによって元暴力団の組長の死は興味半分に報道された。それだけではなく質素な葬儀の席にも、真理の身の上を知ったマスコミが取材に訪れる。無粋な質問をぶつける記者に向かって真理は
「自分は政五郎の娘であり、父を誇りにしている。」
と、言いきるのであった。
その後、葬儀から１週間たっても、真理は学校に姿を現さなかった。心配になった征二、馬場、芳村は秋雨の降る中を真理のアパートを訪れた。しかし、すでにアパートは引き払われていた。真理の行くあてに心当たりもなく3人はそれぞれの家路についた。
秋雨は次第に雨量を増していった。台風の直撃が近付いていたのだ。その雨の中をずぶ濡れになって帰宅した征二。だが、帰宅した彼を出迎えた母の意外な言葉が待っていた。征二が帰宅する直前、真理が征二の家を訪れていたのだ。そして真理はクラス委員の件について征二宛の伝言を残していた。
不吉な予感が征二の心臓をえぐり、彼は大雨の中、真理の姿を追い求め飛び出して行った。征二の予感とは真理が身の回りのことについて、あまりにきちんと整理をつけていることだった。では、そのあと真理は何をしようとしているのか！？
必死に真理の名を呼ぶ征二だったが、その声は雷鳴と雨音にかき消されていた。
